生ゴミ堆肥

2012.11.1
有機栽培で使う肥料はいろいろですが、ベーシックな肥料として、生ゴミ堆肥があります。肥料費節約、ゴミ減量の一挙両得が狙えます。

容器:
生ゴミ堆肥についてはいろいろな作り方が紹介されています。我が家ではコンポストという大型のポリバケツをひっくり返したような容器を使っています。バケツの底に相当する上面はフタになっていて、ここから野菜を投入します。コンポスト容器はホームセンターで手に入ります。

設置:
コンポストは、水がたまるような場所はさけて水はけのよい畑の角などに設置します。コンポストの底面が入る穴を10〜20cm位の深さに掘り、コンポストを置いて周囲を土で固めます。埋めシロが浅すぎるとカラスなどの被害にあうことがあります。

日常:
生ゴミを投入するたびに、土をかける、ときどき発酵促進剤ひとつかみをかける、を繰り返します。小型の金属のシャベルを用意して、生ゴミ投入のたびによくかき混ぜます。暖かい時期なら3ヶ月もすると生ゴミの形はなくなり、黒い土のようになります。

材料:
投入する生ゴミは、植物性の生ゴミを中心に、卵の殻や魚やトリの骨などを使います。肉や魚のアラなどの動物性タンパク質は腐敗しやすいので使用しない方が無難でしょう。また塩分の多い食べ残しなども、野菜に害を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

畑に直接ミカンの皮がまいてある光景をときどき見かけます。ミカンにはよく青カビが生えます。青カビはペニシリンの材料なので、畑の土を消毒する効果があるとのことです。私は生ゴミ堆肥の材料としてミカンの皮も入れています。

カニの殻は放線菌が好きなキチン質を多量に含んでいます。ところで多くの病原菌の細胞膜もキチン質でできているため、放線菌を増やすと病原菌の殺菌効果が現れることが知られています。カニガラが生ゴミとして出るなら積極的に使いましょう。

発酵促進剤:
発酵促進剤は、ホームセンターで売っていたりしますが、米ぬかで十分です。米ぬかは栄養分に富み、米の皮に付着した酵母菌でしょうか、水分が加わると活発に活動します。お米屋さんにいくと、大型の紙の米袋いっぱいが数百円程度で分けてもらえます。

利用法:
肥料として直接畑にまいてもいいとは思いますが、窒素肥料過多になることも考えられるので、私は窒素成分の多い堆肥材料として、堆肥作りに利用しています。堆肥作りについては別途解説します。

生ゴミの他に、落ち葉やわら、枯れ草などをコンポストに投入すれば、肥料のバランスがよくなり、また腐敗を防ぐ効果もあります。できあがった堆肥はそのまま畑に投入してもよいでしょう。

トラブルと解決策:
最も多いトラブルは、生ゴミが発酵ではなく腐敗の方向に進んでしまうことです。発酵には酸素が必要で、水分が多いと酸素不足となり酸素なしで活性化する腐敗菌が増殖してしまいます。特にキッチンシンクの排水口にたまる生ゴミは水分を含みやすく、そのまま投入すると腐敗することが多くなります。これをさけるためには、投入する前に地面に広げて土をまぶし、水分を吸収させるなどの工夫が必要です。また、大きな固まりはできるだけ小さくして表面積を大きくする(酸素と触れる面積を増やす)ことも腐敗をさける対策です。

腐敗方向に進んでいる堆肥は、臭いをかでみるとドブ臭いのですぐわかります。この場合、水分を取り除いて酸素とふれあうチャンスを多くするとともに、腐敗菌の増殖を抑えることが必要です。土をかける、枯れ草やわらを投入するなどした上で発酵促進剤を振りかけてよくかき混ぜましょう。

次に多いのが、ハエなどの虫のトラブルです。夏の暑い時期に腐敗気味になっていると、ハエの幼虫(いわゆるウジ虫)が発生することがあります。いったん発生してしまうと、殺虫剤で対応するか放置するしか手がありません。有機無農薬栽培を実践している立場として殺虫剤は使えないとすると、多めに土をかけてしばらく放置するのが一つの解決策です。

対策としては、何と言っても腐敗をさけることが一番で、特に窒素成分のおおい動物性タンパク質を投入しないこと、投入のたびによくかき混ぜることなどを励行しましょう。暑いと特に腐敗しやすいので、夏場は生ゴミ投入をやめるというのも効果的な対策です。

3 件のコメント:

  1. 生ゴミ堆肥の作り方とてもよく分かりました。

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  2. 生ごみ堆肥は家庭で手軽に作れる有機肥料です。ぜひチャレンジしてみてください。

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  3. ありがとうございます。チャレンジあるのみですね。

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